登録販売者の給料・年収・働き方・勤務先・求人状況

登録販売者の給料・年収・働き方・勤務先・求人状況

登録販売者の給料・年収はどれくらいか、現状を見てみましょう。
気になる登録販売者の収入について詳しくご紹介、働き方による給料・年収の違い、勤務先による給料・年収の違い、さらには求人事情など、さまざまな視点から解説します。

登録販売者の給料・年収

登録販売者の平均年収は300万円前後です。
登録販売者には受験資格はなく誰でも試験を受けることができます。
独学・通信教育などで働きながら学ぶことも可能で、多くの資格の中では門戸は広いといえるでしょう。

登録販売者として働きながら給与水準を上げていくには、経験を積んでいくことがまずなによりも大切です。
登録販売者に合格したとしても、実務未経験の場合は管理者や管理代行者の指導のもとでなければ医薬品の販売ができません。

正式な登録販売者になるためには、試験の合格と直近5年の間に2年以上の実務経験が必要になってきます。

一人で売り場に立てるようになるためにも、実務経験は必須です。
給与を上げるには、経験を積んだうえで、より待遇のいい職場に移るというパターンが多いのが特徴です。

薬剤師との違い

登録販売者と同じく医薬品を扱う薬剤師の平均年収は550万円前後です。
薬剤師になるためにはまず大学の薬学系学科に進学し6年間にわたって学ぶ必要があります。
その後、卒業すると薬剤師国家試験の受験資格が与えられ、試験に合格することで薬剤師の免許を取得できます。

薬学系の学科は大学受験の中でも難しい部類に入るうえ、取得に最短でも6年かかるなど、薬剤師は難関資格だといわざるを得ないでしょう。
薬剤師は難関資格であるぶん、薬のエキスパートでもあり、登録販売者では扱えない第一類医薬品や処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱うことができます。
こうした取得難易度と業務内容の違いが、給与の差に反映されています。

アルバイト・パートの場合

登録販売者としてパート・アルバイト勤めをする場合、時給は1000円~2000円程度が一般的です。
ここに数10円から100円程度が時給に資格手当として加算されるケースが多く見られます。
時給1000円と仮定してフルタイムで働いた場合の年収は200万円程度となります。

正社員の場合

正社員として働く場合、平均年収は330万円から350万円ほどです。
年収は実務経験年数や役職によっても大きく変動し、たとえば店舗のマネージャーや店長になればそのぶん増えていきます。
資格手当は1ヶ月あたり5000円から1万5000円程度という場合が多く見受けられます。
ボーナスは年に夏と冬の2回、約4ヶ月分というのが一般的です。

ドラッグストアで働く場合

幅広い商品を取り扱っているドラッグストアは、登録販売者の求人が多いもっともポピュラーな職場だといえるでしょう。
給料は正社員であれば月収20万円から25万円程度、パート・アルバイトの場合は時給1000~2000円(資格手当あり)ほどです。

ドラッグストアではパート・アルバイト従業員の割合が高く、従業員全体の7割を超えます。
未経験可の求人を選べば実務経験がない人でも就職しやすく、正式な登録販売者へのステップアップも可能です。
また、薬の販売のみならず商品管理や売り場づくり、店舗経営に携わるようになれば、店長などへのキャリアアップや収入アップも見込めます。

薬局で働く場合

医薬品を専門に取り扱う薬局では、薬剤師や登録販売者に限定した求人がほとんどで、資格を持っていることが前提ともいえます。
ただ、あくまでも一般用医薬品に関わる資格のため、一般用医薬品を扱っていない調剤薬局などでは資格の有無が重要視されないこともあります。

一般用医薬品がメインの商品である薬局では、資格が重要なぶん、月収は20万円から27万円程度が相場と、ドラッグストアより若干の高水準であることが多いようです。
薬局経営のノウハウを学べば、将来的に自ら開業することもできます。

コンビニで働く場合

登録販売者を求めているコンビニエンスストアは少なくありません。
コンビニにとっては、店舗に登録販売者を配置することで一般用医薬品を販売できるようになるというメリットがあります。

コンビニの給与水準は東京近郊や都市部のほうが高く、地方では低めとなっています。
パート・アルバイトとして働く場合、東京近郊では1000~1300円(資格手当あり)程度、地方では900円程度であることが多いようです。

登録販売者の資格を取ることもメリットを確認します

(1)勤務場所を問わない

登録販売者の主な勤務先は、ドラッグストアやコンビニエンスストア、大型スーパーマーケット、調剤薬局などです。
いずれも全国どこに行っても見つけることができるので、たとえ転勤などで引越しをしても勤務場所を問いません。
また、経験を活かせるので、就転職も有利です。

(2)復職・働き方を変えやすい

登録販売者資格は、有効期限がないため一度取得すると一生有効な資格です。
登録販売者のニーズは高いため、結婚や出産後の復職や、子どもが小さい間はパートタイムで働き、子どもが大きくなったらフルタイムや正社員など、その時のライフスタイルにあわせた働き方を選択できるのも特長です。

(3)昇進できる

ドラッグストアなどで店舗管理者になるには、登録販売者の資格を持っていることが必須条件となります。
そのため登録販売者資格を取得していれば、自分自身のキャリアアップにもつながり、昇進の道が開けます。
もちろん、就職・転職の際にも断然有利になります。

(4)給与・収入アップ、独立開業も

登録販売者資格があると、無いのとでは給与・収入面で大きく異なります。
資格を持っていることで、毎月5,000~10,000円の資格手当を支給されたり、時給も高くなるケースが多くなっています。
資格があることで、年間60,000~120,000円の給与・収入アップが見込めます。
また、自身が店舗管理者として店舗を開業し、独立することも可能です。

(5)プライベートでも知識を生かせる

登録販売者の知識があれば家庭・プライベートでも役立ちます。
たとえば、頭が痛いときにどのような薬を飲めばよいのか、また、副作用はどのようなものがあるのかといったことがわかるので、ご自身や家族の健康を守るために適切な対応ができます。

今後の求人動向

2025年より地域包括ケアが開始されると、これまで以上にセルフメディケーションの重要性が高まると考えられています。
その影響もあってか、2017年時点での薬局数は5万9138店、ついにコンビニの5万6334店よりも多くなりました
比例するように売上高も増え、ドラッグストアや薬局は、急速に成長をし続けています。
そして、コンビニエンスストアや大手スーパー、各種量販店などでも、医薬品売り場が設置されています。
そのため、ドラッグストアや薬局だけでなく、第2類医薬品・第3類医薬品の販売ができる登録販売者のニーズは、今後さらに高まっていくことが予想されています。

登録販売者試験の難易度と合格率

登録販売者試験の難易度と合格率

登録販売者試験の難易度は?
合格率は?
とお悩みの人はこちらをご覧ください。登録販売者試験の合格率を都道府県別にご紹介。
受験者データや合格ラインなど、登録販売者試験についてわかりやすくご紹介します。

登録販売者資格試験について「難しそう」というイメージを持っている人は多いかもしれません。
平成26年(2014年度)までは、学歴や実務経験などの受験資格が必要だったため、専門の人が取得する資格と考えていた人もいるでしょう。
しかし、現在は受験資格の条件がなくなり、誰でも受験できるようになり、出題範囲をきちんと押さえて学べば、合格は決して難しくなくなりました。

出題範囲を理解していれば決して難しくない

登録販売者試験に合格するためのコツは、出題範囲を理解し、その内容を重点的に勉強することです。
なぜなら、地域によって試験内容は違うものの、厚生労働省が作成した「試験問題の作成に関する手引き」に沿った内容が出題されるからです。
つまり、この内容を繰り返し学び、模擬問題を解けるようになれば、合格する可能性は高くなります。

登録販売者試験の出題範囲

登録販売者試験のベースとなる、厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」は一般に公開されています。
出題範囲は
1項目目は「医薬品に共通する特性と基本的な知識」
2項目目は「人体の働きと医薬品」
3項目目は「主な医薬品とその作用」
4項目目は「薬事関連法規・制度」
5項目目は「医薬品の適正使用・安全対策」となっています。
これらの内容は医薬品全般に関する基本的な知識です。

登録販売者が扱うのはドラッグストアなどで市販されている「一般医薬品」の第2類医薬品と第3類医薬品のみです。
安全上特に注意が必要な第1類医薬品は扱えません
しかし、医薬品全般に関してお客様から問い合わせをうけることもあります。
その際に正しい回答ができるように、登録販売者として基本的な知識を網羅していることが必要です。

登録販売者試験の合格ライン

登録販売者試験に合格するには、まず、全問題の70%以上の正答が必要です。
問題数は1問1点で120問なので、84問以上の正答が求められます。
さらに、先述した5項目の出題分野すべてで35%以上、都道府県によっては40%以上の正答が必要です。
試験の難易度自体は年度によってほぼ変わりません。
全国平均の合格率は少しずつ下がっていますが、これは未経験者や勉強不足の受験者が増えたためだと推測できます。
2013年の受験者2万8527人に対して2019年の受験者数は6万5288人と、2倍以上になっているからです。

登録販売者試験の合格率の推移

登録販売者試験の全国平均の合格率は44.2%となっています。
2012~2021年の受験者数・合格者数・合格率推移は以下のとおりです。

2012~2021年度の登録販売者受験者データ

試験実施年度受験者数合格者数合格率
2021年度6万1070人3万82人49.3%
2020年度5万2959人2万1953人41.5%
2019年度6万5288人2万8328人43.4%
2018年度6万5500人2万7022人41.3%
2017年度6万1126人2万6606人43.5%
2016年度5万3369人2万3330人43.7%
2015年度4万9864人2万2901人45.9%
2014年度3万1362人1万3627人43.5%
2013年度2万8527人1万3381人46.9%
2012年度2万8050人1万2261人43.7%

都道府県別合格率

2021年度の登録販売者試験の都道府県別合格率は以下のようになっています。
登録販売者試験は都道府県ごとに実施されるので、問題も都道府県によって異なることから、合格率にばらつきがでます。

2021年度 登録販売者試験実施状況

都道府県名受験者数(名)合格者数(名)合格率
北海道2,23694842.4%
青森県80831839.4%
岩手県95439441.3%
宮城県1,74975943.4%
秋田県56018332.7%
山形県53320538.5%
福島県93233035.4%
茨城県1,34464247.8%
栃木県98142042.8%
群馬県1,40571550.9%
埼玉県2,8861,17840.8%
千葉県3,0251,25141.4%
東京都4,8882,11243.2%
神奈川県3,3111,61548.8%
新潟県95644246.2%
山梨県34615444.5%
長野県1,37263246.1%
富山県71838353.3%
石川県92648151.9%
福井県57828248.8%
岐阜県1,28768253.0%
静岡県1,60791657.0%
愛知県3,5192,07859.1%
三重県75939652.2%
奈良県65732148.9%
鳥取県28517260.4%
島根県33819457.4%
岡山県1,06469164.9%
広島県1,33388966.7%
山口県66645868.8%
香川県62439763.6%
愛媛県84054364.6%
高知県44123152.4%
福岡県2,8911,40548.6%
佐賀県37814939.4%
長崎県70531044.0%
熊本県92440643.9%
大分県64728143.4%
宮崎県50321642.9%
鹿児島県92932635.1%
沖縄県76328237.0%
関西広域連合9,4025,29556.3%
年 度 計61,07030,08249.3%

合格率が高いのは北海道・東北、合格率が低いのは四国

登録販売者試験は各都道府県で実施され、試験内容が異なります。
試験日が違うため、複数の都道府県で受験することも可能です。
厚生労働省では難易度を全国で統一するために「試験問題の作成に関する手引き」を作成しています。
しかし、北海道、東北地方が合格率の上位にランクインすることが多いなど、特定の地域の合格率が高いのは確かです。
たとえば、北海道、東北地方における2015~2018年の合格率は50%を超えており、全国平均より5~10%程度高いといえます。逆に、2015~2018年の合格率が32.1%の四国など、平均より低い地域もあります。

複数県で受験することもできるので、合格率が高い近隣の都道府県を狙って受験する人もいらっしゃいます。

実務経験などの受験資格要件はなく、受験しやすい資格

実務経験などの受験資格要件はなく、受験しやすい資格

登録販売者は、比較的受かりやすい試験です!
受験するための資格要件がないので人気の資格です。

2人に1人が合格!
確実に合格を狙うことが可能です!

登録販売者は、都道府県が試験を実施する公的資格。
合格率45%(全国平均)と、2人に1人が合格できるやさしい試験です。
毎年受験者数が増え続ける人気資格となっています!

年齢・学歴・実務経験などの受験資格が撤廃され、誰でも受験できるようになりました。
2人に1人が合格できるやさしい試験で、各県で試験日が異なるため、試験のかけもちや合格率の高い県の試験を受けに行くこともでき、確実に合格を狙うことが可能です!

  • 解答はマークシート方式!
    点が取りやすく
    初学者でも受かりやすい!解答がしやすいマークシート方式(択一式)だから、細かく暗記をしていなくても、正しく理解していればムリなく正答を導くことが可能です。
    常識で解ける問題や過去問の焼き増し問題も多いので、初学者でも挑戦しやすく、受かりやすい試験となっています!
  • 合格ラインは得点率70%以上!
    ムリなく合格を目指せます。
    試験の合格ラインは全問題の合計点数の70%以上の得点。ただし足切りラインがあるため、それぞれの科目で35%~40%以上の得点が必要です
  • 居住地・勤務地にかかわらず、どこの都道府県でも受験可能です!
    各都道府県が主催している「登録販売者」試験。居住地や勤務地で受験しないといけないという決まりがないので、誰でも、どこの地域でも受験できます。また県によって試験問題が異なるため、合格率の高い県で試験を受けることも可能!
主催団体各都道府県の登録販売者試験担当課
受験資格なし
試験日年1回。
例年8月~12月頃(各都道府県により異なります)
申込方法都道府県により異なります
申込期間各試験日の約2ヶ月前まで(都道府県により異なります)
受験料13,000円~18,100円(都道府県により異なります)
申込方法都道府県により異なります
制限時間4時間
合格基準各科目35~40%以上、且つ合計70%以上の得点(都道府県により異なります)
合格発表都道府県により異なります
お問い合わせ先各都道府県の登録販売者試験担当課
※詳細な情報は、各都道府県の試験担当課へお問い合わせください。
登録販売者のお仕事

登録販売者のお仕事

登録販売者とは、ドラッグストアや薬局などで一般用医薬品(かぜ薬や鎮痛剤など)の販売ができる医薬品販売の専門資格です。
薬剤師と並ぶ薬のスペシャリストです!
登録販売者がいれば、一般用医薬品の大多数を占める第二類・第三類医薬品の販売が可能になるため、企業にとっては大きな戦力に!
企業から求められる、ニーズの高い注目の資格です。

登録販売者の誕生

2006年の薬事法改正によって登録販売者が誕生しました。
それまで、一般用医薬品の販売には薬剤師が必須でしたが、薬剤師が医師からの処方せんによる調剤業務が増え、一般用医薬品を取り扱う薬剤師の人手不足によりお客様に十分な情報が行き渡らないという実態がありました。
登録販売者の役目は、お客様に適切な薬をアドバイスすること!薬の説明書や外箱の表示は医薬の専門的な言葉が多く、一般の方にはわかりにくい内容です。
登録販売者は薬の成分や効能をわかりやすく説明し、副作用など注意すべき情報を伝える、とても大切な役割を担っています。

薬剤師と登録販売者の違い

薬剤師と登録販売者の大きな違いは、次の2つです。

薬剤師のみの業務
①処方箋に基づく薬の調剤
②第一類医薬品が販売

登録販売者の扱う医薬品は多い
一般用医薬品は、リスクの程度に応じて3つのグループに分類されています。
このうち登録販売者が取り扱えるのは「第二類医薬品」と「第三類医薬品」のみですが、一般用医薬品のなかで第二・第三類医薬品が占める割合は9割以上!そのため、登録販売者は薬剤師不足を補う人材として、重宝されています。